<第6号>歴史の扉が、今、開かれた

日本政治の歴史が、今まさに大きく書き換えられました。

自由民主党は10月4日の総裁選で 高市早苗氏を第29代総裁として選出しました。

自民党70年の歴史において初の女性総裁です。

しかし、これは自民党史上初の女性総裁という肩書きではなく、私はこれを「女性が政治の中心に立つ時代」への象徴的な転換点と見るべきだと考えています。

振り返れば、決選投票直前、誰もが小泉進次郎候補の勝利を疑っていなかったと思いますが、その流れを根底から変えたのが、麻生太郎元総理のひと言だと言われています。

「党員(票)に合わせろよ」

この一言が、麻生派を中心とした党内の支持調整の転換点となりました。

茂木敏充氏らが高市氏へ支持を回す動き、さらには小林鷹之氏の陣営にも揺さぶりがかかったことは、単なる票読みを超えた党内力学の変化を示しています。

また、この総裁選は、菅義偉元総理と麻生氏との因縁も背景にあります。

菅政権下の総裁選で麻生氏が推す候補が敗北した屈辱を、麻生氏は決して忘れていなかった。

今回は、その「二度と負けない」という強い意志が、背後の戦略として強く働いた可能性があります。

そして人事布陣にも、その意図は明瞭です。

麻生派の影響力がしっかりと反映され、麻生氏の義弟である鈴木俊一氏が幹事長へ、麻生派の有村治子氏が総務会長へ、茂木氏は外相へ、麻生派(旧茂木派)の木原稔氏が官房長官へ、そして麻生氏自身は副総裁あるいは再び政権中枢へ。

この布陣は、日本が米国のトランプ政権と真正面から向き合う「トランプシフト」への布石と言えるでしょう。

いま、世界の激動と対峙できる政治家は、麻生・茂木両氏をおいて他にいません。

だからこそ、この人事は単なるポスト争いではなく、日米関係の軸をも左右する地政学的戦略なのです。

さらに、経済政策面でも重要な転換が待ち受けています。

財務大臣には林芳正氏が就任する可能性が取り沙汰されておりますが、重厚な政治家一族の出身である林氏は、金融・財政の両面で圧倒的な安定感をもたらし、日本経済を次の局面へと導くキーパーソンと見られています。

そして林氏は、高市新総裁の一番の弱点とされる中国との関係をサポートすることになるでしょう。

今の日本の政治家で、中国との関係をしっかりと構築しているのは林氏しかいません。

そういった意味では、「トランプシフト」と「習近平シフト」が高市さんの内閣の人事の見所になってくるのではないかと思います。

自民党初の女性総裁の誕生は、単なる象徴ではありません。

政界の主導権争い、米中との外交駆け引き、経済再編の潮流すべてが今、結節し、新しい日本政治の時代がここから始まる可能性を秘めていると、私は感じています。

株式会社 沖縄ファースト政策研究所

所長 下地 幹郎