<第19号>いま解散している場合か
物価高対策において、円安の是正を避けて通る道は存在しません。
円安が進行すれば、確かに海外投資家による日本株の購入が増え、株価指数は上昇します。
しかしそれは、日本経済そのものが健全に成長したことを示す指標とは言えないものです。
その最大の理由は、日本企業の約99.7%が中小・零細企業で構成されているという現実にあります。
円安による株高の恩恵は、主として一部の大企業や輸出関連企業に集中し、国内経済の屋台骨を支える中小企業の業績改善にはほとんど波及していません。
実際、2023年以降、実質賃金は前年比でマイナスが続き、直近でもマイナス2%前後という状況にあり、一人ひとりの国民生活が確実に苦しくなっていることを如実に物語っています。
このような局面において、なぜ今、衆議院解散という選択がなされるのか。
どれほど多くの理由や説明が並べられようとも、国家と国民生活を最優先に考えるならば、この時期が適切であるとは言えません。
昨年度の補正予算は総額21兆円規模に達したものの、その効果はいまだ十分に国民生活へ行き渡っていないのが現状です。
さらに今回の解散によって、26年度予算の年度内成立が不透明となり、26年度予算の政策効果が実体経済に現れるのは相当先になることは、誰の目にも明らかです。
今回の衆院選における主要な争点の一つが、消費税減税です。
物価高対策として最も即効性が高く、かつ公平性のある政策である以上、すべての政党が公約として掲げ、選挙後速やかに実現すべき課題だからです。
消費税率を例えば10%から5%へ引き下げれば、年間で約12兆円規模の国民負担が軽減され、補正予算を大型化する必要性も大きく低下します。
何より、所得に関係なく全国民に等しく効果が及ぶ点において、最も庶民の暮らしに寄り添った政策なのです。
さらに、減税が結果として税収増につながるという実証的な成果が示されれば、日本の税制そのものが大きな転換点を迎えることになります。
これまでの自民党政治は、「税を集めて分配する」という発想に立脚してきました。
しかしこれからは、分配以前に、減税によって現在の暮らしを守り、経済活動を活性化させるという考え方へと転換しなければなりません。
そのためには、大胆な行政改革によって恒常的な財源を生み出し、規制緩和によって民間活力を最大限に引き出すことが不可欠です。
「財源は行政改革で生み出す」
「経済は民間活力でつくる」
「規制緩和で国民一人ひとりの競争力を高める」
「減税は成長を通じて結果的に増収につながる」
この理念を、今こそ国家として徹底すべき時です。
外交においても、現実主義が求められます。
高市総理には、日本のトップとして中国との関係改善を早期に図る責務があります。
日本企業は現在、1万3,000社以上が中国に進出し、年間27兆円規模という世界第2位の巨大市場に関与しています。
この現実を踏まえれば、中国との関係改善を怠ることは、日本企業の国際競争力を政府自らが削ぐ行為に等しいのです。
強硬姿勢を示すことが愛国心であるかのような短絡的発想ではなく、日本が大人として中国を包み込み、主導していく強さを築かなければなりません。
感情的な対立は避け、冷静かつ戦略的に国益を最大化する姿勢こそが必要なのです。
私は現在、沖縄に造船所を新設するプロジェクトの実現を目指しています。
沖縄県内には大型フェリーや公的船舶、レジャーボードなど1万隻を超える船舶があるといわれておりますが、そのほとんどが沖縄県外でドック入りしているのが現状です。
もし沖縄に高度な技術力を備えた造船所が誕生すれば、県内に新たな製造業が根付き、雇用創出と経済循環が生まれます。
造船業は高度な専門技術を要する産業であり、高所得を得られるため、若年技術者の育成にも直結します。
私は、沖縄を成長させるためのプロジェクトとして、次のような目標を掲げています。
「久米島オーシャンジェット事業を成功させ、久米島の人口減少に歯止めをかける」
「沖縄縦貫鉄道の実現で、沖縄本島の慢性的な交通渋滞を解消する」
「沖縄電力の構造改革を提案し、沖縄県民の電力料金負担を軽減する」
「造船業を沖縄に根付かせ、県内製造業の底上げを図る」
「近代的農業モデルを構築し、沖縄農業の新たな柱を育てる」
「伊是名・伊平屋にロープウェーを整備し、離島過疎の解消を目指す」
沖縄ファースト研究所には、今こそ果たすべき役割があります。
国民生活がこれほど厳しい中で、解散に振り回されている余裕は、もはや日本にはないのです。
株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長 下地 幹郎


