<第20号>下地幹郎の選択と責任
本日、第51回衆議院議員選挙が公示されました。
昨日のSNSにも書いた通り、下地幹郎は30年ぶりに衆議院選挙に出馬しないという決断をし、公示日の朝を迎えました。
私はこれまで、政治家として人生を歩んできました。
その事実から逃げるつもりは一切ありません。
政治の第一線を退いたからといって、「もう関係ない」「自由にしていい」という立場に立てるとは思っていません。
むしろ私は、「この国の岐路にあたって、これまで政治の道を歩んできた下地幹郎の考え方を示す責任がある」という仲間や県民の声に正面から応えるべきだと考えました。
私の選挙における判断基準は、ただ一つです。
すべては「沖縄ファースト」であるべきだという一点に尽きます。
私は、次の三つを基準に判断すべきだと考えています。
「沖縄のために、これまで何をしてきたのか」
「沖縄のために、これから何をしようとしているのか」
「沖縄ファーストを否定してきたのは誰なのか」
この三つの基準に照らし合わせた結果、下地幹郎は、今回の衆議院選挙において比例区では「中道改革連合」を支援するという結論に至りました。
なぜ自民党ではなく、「中道改革連合」なのか。
その理由を、五つの明確な根拠を添えて示します。
第一の理由
「10年間で約1000億円削られた沖縄振興予算」
自民党政権がこの10年間で削減した沖縄振興予算は、1000億円規模に達します。
一方で、国の一般会計予算は毎年のように過去最大を更新し、閣議決定された2026年度予算案では122兆3092億円と、初めて120兆円を突破しました。
それにもかかわらず、沖縄振興予算だけは縮小され続けたという現実を、私は「県民生活を直撃した政治の失策」だと断じます。
沖縄県の子どもの貧困率は全国平均の2倍以上で、今なお深刻な状況が続いています。
この間、自民党の沖縄選出国会議員で、予算削減に正面から異議を唱えた者は一人もいませんでした。
沖縄の名を掲げて体を張った政治家はいなかった。
この事実を、私は沖縄ファーストの立場から決して許すことはできません。
今度の選挙で、国民が最も関心を寄せているのは物価高対策です。
その事からしても低所得で苦しんでいる沖縄県民のための沖縄振興予算をカットすることは、あってはならないのです。
第二の理由
「沖縄が一言も書かれていない連立合意文書」
自民党と日本維新の会が結んだ連立合意文書の中に、沖縄問題は一行も盛り込まれていません。
日本の安全保障の最前線に立ち、在日米軍基地の7割を背負っている沖縄が、連立政権の政策合意の中で完全に無視されている。
この事実を、私は到底受け入れることができません。
一言でも沖縄への配慮、沖縄への感謝、沖縄政策への言及があってしかるべきだと考えますが、それすらありません。
沖縄は「負担を押し付けられるだけの存在」なのでしょうか。
安全保障の過重な負担を背負ってきた沖縄には、その対価を正当に得る権利があります。
それを認めない政権が正しいのか、それとも期待してしまった私がおかしいのか、その答えは、この衆議院選挙で示されるべきです。
沖縄は、中央の政治から消し去られたのかもしれません。
第三の理由
「右傾化する安全保障、その矛先は沖縄に向かう」
高市内閣が掲げる安全保障政策は、明らかに右傾化しています。
「すべてを日米同盟に委ね、先制攻撃を専守防衛と位置づける」
これは、戦後日本が積み上げてきた安全保障の原則を根底から揺るがすものです。
地理的条件から、東京、大阪、福岡がその負担を引き受けることはありません。
最前線に立たされるのは、常に沖縄です。
「自らの国は自らで守る」
「専守防衛」
この原点に立ち返らなければなりません。
新たな安全保障負担を沖縄に押し付けさせないためにも、「中道改革連合」が修正勢力として国政に存在する意味があります。
安全保障の新たな強化は、沖縄県の新たな負担に繋がることは間違いありません。
そのとき政府は、新たな沖縄の米軍基地負担軽減策も同時に示す責任がありますが、それがないまま沖縄県の負担増は認めることはできません。
第四の理由
「辺野古は、すでに新たなステージに入っている」
「1ミリたりとも基地反対の気持ちは変わらない」という玉城知事の発言に、私は正直、失望しました。
最高裁で敗訴し、現実には埋め立てが進められている。
この現状から目を背ける政治は、もはや無責任です。
米軍普天間基地の辺野古移設問題は、「賛成か、反対か」という段階をすでに終え、「計画をどう修正するか」という新たなステージに入っています。
このステージをつくったのは、国との戦いに勝てるにも関わらず、自ら負けをつくったオール沖縄勢力です。
安全保障、環境、沖縄経済、そして北部地域振興、これらすべての観点から、より合理的で、より県民に寄り添った計画へ変更することが、今こそ求められています。
私は、「民軍共用やんばる国際空港構想」という新たな提案を行ってきました。
事実、1200メートル滑走路(オーバーラン含め1800m)×2本という政府の現行計画には、米軍関係者が必ずしも魅力を感じていないという声は、私のもとにも届いています。
オスプレイしか離発着出来ない1200メートルの滑走路では即応能力が低下するからです。
普天間基地の辺野古移設について、「反対」だけの勢力と、「現状案しかない」とする勢力は、政治的に必要がない段階にあります。
賛成だけでも反対だけでもない「第三の道」を、「中道改革連合」に期待するのです。
第五の理由
「『中道』という言葉への確信」
私は、「中道」という言葉が好きです。
なぜなら、沖縄の政治は50年以上にわたり、「保守」と「革新」に分断され、その結果、米軍基地問題は解決せず、経済は伸びず、貧困が固定化されてきたからです。
この二極対立を終わらせなければ、沖縄の未来はありません。
「中道」とは、オール沖縄のように政党勢力を束ねることではなく、政策をチャンプルーすることです。
保守と革新の政策を混ぜ合わせ、沖縄にとって最も現実的で、最も前に進めることができる「沖縄ファースト」という答えを導き出すのが「沖縄の中道」であり、それが「日本の中道」になるからです。
右傾化が進む日本政治の中で、沖縄県民こそが「中道」を育て、沖縄の未来を切り拓き、その延長線に「日本の中道」をつくることができます。
「中道」の役割を担うべきは、沖縄からだと私は確信しています。
政治の方向性を明確に示すことは、確かにリスクが伴います。
しかし、そのリスクを恐れるあまり、自らの立ち位置や考え方を曖昧にし続ける政治こそが、結果として政治そのものを崩壊へと導いてきました。
私は、その道は選びません。
だからこそ、自らの考え方を明確に示し、その考えに賛同してくださる方々と共に歩んでいきたいと心から願っています。
今回の衆議院選挙において、私は「日本全体の政治課題から沖縄の選択を導く」のではなく、「沖縄の立場から、沖縄のために判断すべき」だと考え、比例では「中道改革連合」を支援することに決めました。
これは、誰かに強制する選択ではありません。
皆さん一人ひとりの意見を大切にしながら、率直な議論を重ね、沖縄にとって何が最善なのかを共に考えていきたい。
その積み重ねこそが、沖縄の未来を切り拓く力になると信じています。
どうか、皆さんの声を聞かせてください。
これからも、対話と議論を重ねながら、沖縄の進むべき道を共に探っていきましょう。
株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長 下地 幹郎


