<第24号>三つの「面白い」の裏側

今回のメルマガでは、私が考える「面白い」話題を3点、皆様に報告したいと思います。

ここで言う「面白い」とは、単なる興味ではなく、「こんなこともあるのか」「これも一つの選択肢か」「今後どう展開していくのだろうか」といった思索を促す要素を含む事象のことです。

一つ目は、消費税をめぐる議論です。

現在、日本の消費税率は10%、うち食料品などには8%の軽減税率が適用されていますが、物価高騰を背景に、食料品の税率を時限的に0%とする案が一部で提起されています。

仮にこれを2年間実施した場合、食料品に係る消費税収は年間およそ4~5兆円規模と推計されており、2年間で約8~10兆円の財源措置が必要になる計算です。

こうした中、高市総理は各党の意見を聴取する超党派の「国民会議」を設置する考えを示していますが、その構成や議論の進め方によっては、減税推進よりも慎重論を強調する場となる可能性も否定できません。

衆議院では、与党が352議席と3分の2を超える議席を有しており、制度上、法案提出・可決が可能であるにもかかわらず、あえて幅広い意見を取り入れる形をとることの政治的意味は何なのか。

しかも報道によれば、共産党と参政党など減税賛成派には参加を呼びかけず、減税反対派のチームみらいには参加を呼び掛けている。

このなかなか「面白い」プロセス自体が一つの政治的メッセージであり、そこに「面白さ」と同時に戦略性を感じます。

二つ目は、米軍普天間飛行場の移設問題です。

普天間飛行場の滑走路は2,700メートル1本ですが、辺野古への移設の政府の現行計画は滑走路1,200メートル(オーバラン600メートル)の2本をV字型に配置しています。

一方で、軟弱地盤の存在が確認され、改良工事には長期間を要するとの見通しも示されています。

こうした中、より長い3,000メートル級滑走路を整備し、民軍共用とする構想も一部で提起されてきました。

3,000メートル級滑走路は大型機の運用に十分対応でき、那覇空港(3,000メートル、2,700メートル)と同等規模になります。

民軍共用が実現すれば、沖縄本島北部地域の経済振興や物流拠点機能の強化にも寄与するでしょう。

普天間飛行場の返還は、1996年の日米合意から既に30年が経過しながら、なお実現していません。

移設の是非という二項対立を超え、どのような施設を整備すれば沖縄県民の安全確保と地域振興、さらには日米の抑止力維持を同時に実現できるのかという次の段階の議論に移行すべき時期に来ているのではないでしょうか。

米国の会計監査院は2017年に辺野古の現行計画の滑走路では短すぎて機能が欠如するとして、米国防総省に勧告していました。

それに対し、米国防総省は昨年9月、「普天間基地の代わりとなる長い滑走路が選定されるまで、普天間基地は日本に返還されない」と回答しています。

合理性のない現行計画は、このように通用しないのです。

下地幹郎がずっと提案している「民軍共用 やんばる国際空港2800」は、沖縄県民も米軍も自衛隊も納得するものになるでしょう。

「民軍共用 やんばる国際空港2800」は、これ以上海を埋め立てず、羽田空港のようにくい打ちと浮きドックを活用して2800メートルの滑走路を整備し、民軍共用とするものです。

もう、賛成、反対と言っているだけの論議は終わりました。

これからは、すでに埋め立てられた場所があるという現実を直視し、それを活用しながら環境に優しい滑走路を整備し、沖縄県民にメリットがある空港へと変化させるべきです。

三つ目は、アメリカ政治の動向、とりわけトランプ大統領の言動です。

米国では通商法301条に基づく対中関税措置などが過去に実施され、その適法性や大統領権限の範囲をめぐって司法判断が争われてきました。

関税政策は米国内のインフレ率や産業保護政策とも密接に関連しており、その経済的影響はGDP比でも小さくない規模に及びます。

また、中東情勢ではガザ地区やイランを巡る緊張が続き、軍事的緊張が高まる局面もあります。

歴史を振り返れば、国内政治が不安定化した際に対外強硬策が支持拡大の手段として利用された例もあります。

ゆえに、強いリーダーシップと大胆な政策が国益を守る方向に向かうのか、それとも国際秩序を揺るがす方向に進むのか、その帰結を冷静に見極める必要があります。

世の中の「面白い」という現象の背後には、必ず構造的な本質が潜んでいます。

制度設計、権力構造、経済的利害、国際環境が複雑に絡み合う中で表面化する出来事を、私たちは感情ではなく理性で読み解かなければなりません。

「なぜ今この動きなのか」

「その先にある目的は何か」

それを問い続ける姿勢こそが、民主社会における有権者の責任であり、政治を正しくジャッジするための第一歩であると私は考えます。

株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長    下地 幹郎