<第13号>沖縄の声は15分で語り尽くせるのか

新しい内閣が発足すると、ほぼ例外なく1ヵ月以内に沖縄担当大臣と、米軍基地負担軽減の担当である官房長官が沖縄を訪れます。

これはまさに、「政治の恒例行事」といっても過言ではありません。

しかし、その「政治の慣例行事」は儀礼的な挨拶に終始し、沖縄県知事に対して「この課題を解決します」「具体的にこのように進めます」といった明確な答えが示されることはなく、ただ来て、ただ形式的な会談をして、帰京するだけです。

私は政治家として、さまざまな会談の場を経験してきました。

その立場から申し上げると、「会談に割く時間」自体が相手に対する評価と敬意の尺度です。

木原官房長官が来沖しましたが、報道によると、玉城知事との会談はわずか15分、経済界との会談は2時間ということでしたが、この時間配分そのものが、木原官房長官の価値観なのです。

沖縄県の最高責任者を15分で済ませるという対応は、あまりにも失礼であり、非常識であると感じざるを得ません。

政治的立場の違いがあったとしても、沖縄県知事は沖縄県民を代表する「選ばれたトップ」です。

その人物に対して丁寧に話を聞き、経済、米軍基地問題、地域社会の実情に耳を傾けることこそ、常識ある政治家の姿勢です。

意図的に時間を削ることは、「あなたとは真剣に向き合う気はありません」というメッセージとなり、それが政治的影響、特に選挙への計算と無関係であるはずがありません。

私の師である亀井静香先生は、総理大臣と会う際には必ず最低1時間の会談時間を確保されました。

そして総理側も、1時間が1時間30分まで延びる可能性を前提にスケジュールを調整していました。

これこそが、政治家として相手を尊重する「当たり前のマナー」であり、その相手に割く時間が敬意と価値そのものを示すのです。

政治というものは、言葉だけではなく、態度と時間の使い方で本音が見えるものです。

相手の立場に思いやりを持ち、誠実に向き合う姿勢がなければ、沖縄問題の前進など到底望めません。

2024年度、沖縄県民が納めた国税は5,285億円に達しています。

一方で、2024年度の沖縄振興予算はわずか2,678億円、沖縄県民が納めた国税額の半分です。

この差を見れば、沖縄にとっては政府との関係は貿易赤字と表現しても差し支えないほどの不均衡です。

日米安保条約に基づき、沖縄が多大な基地負担を担っているにもかかわらず、この予算規模では県民の努力も忍耐も評価されているとは到底言えません。

予算という形でも対価を示さない。

会談の時間でも敬意を示さない。

にもかかわらず、怒りをあらわにせず冷静に応対し続ける玉城デニー知事の人格は、実に立派であり、尊敬すべき姿勢です。

しかし、こんな扱いでいいのでしょうか?

沖縄が担ってきた歴史的負担と、現在も続く米軍基地負担。

それに対する国の向き合い方がこのままでよいのか、私たち沖縄は真剣に問い直すべき時期に来ています。

株式会社 沖縄ファースト政策研究所

所長    下地 幹郎