<第22号>民意が突きつける巨大な責任

「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか、国民の皆様に決めていただく」

この一言から始まった選挙劇は、歴史的な結果へと収束しました。

国民は「あと100年任せてもよい」と言わんばかりの圧倒的多数をもって、明確に「高市早苗を内閣総理大臣とする政権」を選択したのです。

民主主義において民意は絶対であり、その選択がどれほど重く、どれほどの責任を伴うものであるかを、私たちは改めて直視しなければなりません。

選挙とは、残酷な制度です。

必ず勝者と敗者が生まれ、その瞬間から運命が分れます。

「勝った者は嬉しくて眠れず」「負けた者は悲しくて眠れず」ですが、政治とは、まさにその覚悟の上に立つ営みなのです。

勝者は国を前へ進める義務を負い、敗者は何が足りなかったのかを自問し、次の戦いに備える。

選挙翌日こそが本当の始まりであり、そこからが国家の命運を賭けた実戦なのです。

では、民意が選んだ自民党の圧勝は、この国にどのような未来をもたらすのでしょうか。

高市総理は「強い日本」を掲げ、積極財政を断行すると明言しています。

確かに停滞が続く日本経済には大胆なテコ入れが必要です。

しかし、積極財政と称して国債を積み増し、歳出を拡張し続けることは、「国の借金」1,342兆1,720億円を無視することになります。

ここで市場が「成長投資」ではなく「単なるばらまき」と判断した瞬間、日本国債は売られ、円は売られ、金利は跳ね上がります。

わずか1%の金利上昇で、利払い費は数兆円単位で膨張し、最初に痛みがくるのは地方の中小零細企業です。

円安が1ドル=160円、170円と進めば、輸出企業と都市部の株価は潤うでしょう。

しかしその裏で、エネルギー価格と食料価格は上昇し、家計は確実に疲弊します。

特に、円安とエネルギー高は、沖縄のような輸入依存地域ほど打撃が大きい。

都市と地方、大企業と中小企業、富裕層と生活困窮層の格差は、もはや看過できない水準にまで拡大するのです。

株価だけが上がり、生活実感が下がる社会は、健全な国家とは言えません。

円安頼みの景気など、砂上の楼閣にすぎないのです。

だからこそ問われるのは「支出の規模」ではなく、「政策の質」なのです。

私は「減税」と「規制緩和」によって民間投資を呼び込み、民の力で経済を押し上げる道こそが本道だと考えています。

「税金を取り、国債を刷り、補助金を配る古い政治」は終わらせるべきです。

大胆な規制撤廃と恒久減税によって企業活動を解き放てば、資本は自然に国内へ回帰し、為替は 125円から130円 程度の均衡水準に落ち着くはずです。

同時に、高市政権が真に歴史的政権を自認するなら、経済対策だけで終わるはずはありません。

憲法改正、安全保障の再定義、防衛力強化、エネルギー政策の現実路線への転換など、戦後政治が先送りしてきた宿題に取り組むでしょう。

特にアメリカ合衆国との関係において、日本がいつまでも受動的な立場に甘んじる時代は終わらせなければなりません。

大統領に振り回される外交ではなく、対等に交渉し、必要ならば、日米地位協定の改定 すら迫る覚悟が求められます。

国家の主権とは、言葉ではなく行動で示すものだからです。

圧勝は、免罪符ではありません。

むしろ逆で、巨大な民意は、巨大な責任を伴い、失敗の言い訳はもはや許されません。

高市内閣が選ぶのは、国債依存の安易な拡張路線か、それとも民間活力を軸にした構造改革か。

歴史はその分岐点を静かに見つめています。

強い日本を本気で作るというのなら、覚悟を数値で示し、成果で証明しなければなりません。

「言葉ではなく結果で語れ」

これが、圧倒的民意が突きつけている、最も鋭い要求なのです。

株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長    下地 幹郎