<第39号>沖縄を分断する人たちに、沖縄の未来を託すことはできない

沖縄県市長会が玉城デニー沖縄県知事とは別で、沖縄関係予算の国への要請行動を行うことを決めました。

それを受けた、玉城知事の発言が報道されています。

「対話が必要だった」

この玉城知事の言葉に、私は強い違和感を覚えました。

なぜ今頃になって「対話が必要だった」と言うのだろうか。

沖縄県と県内の市町村は連携をとりながら、沖縄県民のために頑張るのが、当たり前の公的な役割です。

その意味でも、行政にとって一番大事な沖縄振興予算の要請行動を県と市町村が一緒に行わないことは、異常な事なのです。

「沖縄県と国との関係は最悪で、私たち市長会は沖縄県とは共に行動できません」

この市長会のメッセージは、「全国の皆さん、私たち沖縄県は、県内で対立し、分断していますよ」と、全国へ発信しているのと同じなのです。

「政治の役割は、対立をつくり出すことではない。異なる立場の人々をまとめ、県民の利益のために最大限の結果を引き出すことである」

この当たり前の政治行動を、玉城知事と市長会は調整することなく、対立の継続をつくり出しているだけなのです。

玉城知事が国と対峙する姿勢を見せることは否定するものではありませんが、「その先で本当に求めているのは何なのか」「何を実現したいのか」を、沖縄県民に示さなければならないのです。

「県民所得は全国最下位」「子どもの貧困」「人口減少」「離島の過疎」「物価高騰」と課題は山積しているにもかかわらず、県政が発信するのは相変わらず対立構図ばかりです。

政治は、パフォーマンスだけではダメ。

県民が求めているのは、「県民の暮らしを良くするリーダー」であり、知事はそのことを自覚するべきです。

また、知事が市長会をグリップできてないこと自体がおかしいのです。

沖縄県の権限は大きく、市町村に対しても影響力があるのに、これだけ馬鹿にされるということは問題です。

一方で、市長会も沖縄振興予算に関しては大きな責任があるだけに、知事と共に要請行動をしないいうことは、言語道断です。

沖縄振興予算のために国との関係を重視することは理解できますが、県民からすれば「国に要望する時ぐらいは県民のために足並みを揃えて、政治的な立場を超えて行動しなさい」だと思います。

それがもし国への忖度であったならば、実に残念な市長会だとしか言いようがありません。

国の顔色をうかがうことは、県民に正面から向き合わないことだからです。

そんな政治に、県民はうんざりしています。

そして最も残念なのは、この対立の姿が全国に発信されていることです。

沖縄が自ら分断していることが全国に伝わる。

そのことを、私たち沖縄県民は恥ずかしいと思わなければならない。

「知事と市町村長が対立する沖縄」

「国と県が対立する沖縄」

「保守と革新が対立する沖縄」

「沖縄県は政治の対立しかない県だ」

県民はそんな風に思われることを望んでいません。

「保守だから」「革新だから」ではなく、沖縄の未来のために何をするのかなのです。

リーダーとは、味方を喜ばせる人ではありません。

意見の違う人とも向き合い、時には批判を受けながらも全体を一つにまとめる人でなければなりません。

沖縄を一つにまとめ、国からも必要なものを引き出し、県民の暮らしを守る。

その原点を忘れたリーダーに、沖縄の未来を託すことはできない。

株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長    下地 幹郎