<第43号>沖縄の尊厳は誰が守るのか
首里城正殿の復元完成式をめぐり、国と沖縄県の間で認識のずれが生じています。
首里城正殿は、国が管理する国営公園内の施設であり、復元工事も国が主体となって進められています。
そのため国は、2026年11月22日に完成式を開催し、翌23日に一般公開することを発表しました。
しかし、この発表について、沖縄県は十分な事前協議や情報共有がなかったとの認識を示しています。
完成式の主催が国であることは理解できます。
しかし、首里城は沖縄の歴史と文化の象徴です。
だからこそ、「誰が管理しているか」ではなく、「沖縄県民とともに復元を祝う」という姿勢が何よりも大切ではないでしょうか。
完成日や式典のあり方について、沖縄県と十分に協議しながら進めることが、本来あるべき姿だったと私は考えます。
一方、沖縄県は首里城正殿の復元を県民全体の事業として位置づけ、完成記念事業やPR、多言語案内などの準備を進めてきました。
玉城知事は、国の発表を受けて「供用開始日が決まったことについて歓迎します」とコメントしています。
もちろん、首里城の復元そのものを歓迎することに異論はありません。
しかし、県が十分に関与できなかったとの認識があるのであれば、そのことについて県民に対して明確な説明や問題提起を行うことも、県知事として重要な役割ではないでしょうか。
私は、沖縄県知事であれば、「首里城は沖縄県民の誇りであり、その節目は県民とともにつくるべきだ」という立場を、もっと強く国に求めるべきだったと思います。
もし私が知事であれば、県が十分に関与できないまま式典の内容や運営が決められるような状況であれば、そのあり方を見直すよう国に強く求めます。
首里城は、国の施設である前に、沖縄県民の心のよりどころです。
だからこそ、県民の思いが置き去りにされるような形で復元完成式が進められることがあってはなりません。
この問題は、首里城だけの話ではありません。
沖縄振興予算が減額され続けても強く異議を唱えない。
国の方針に対して十分な説明や議論を求めない。
そうした姿勢が積み重なれば、沖縄の存在感や発言力は次第に弱くなってしまいます。
私は、国と対立することが目的だとは考えていません。
しかし、対等な立場で議論し、沖縄県民の利益と尊厳を守ることは、県知事の最も重要な責任です。
首里城正殿の復元完成式をめぐる今回の出来事は、沖縄の尊厳とは何かを改めて私たちに問いかけています。
今こそ、沖縄は自らの誇りと尊厳を取り戻すべきではないでしょうか。
株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長 下地 幹郎


