<第42号>沖縄電力は、誰のための会社なのか
6月26日、私は、沖縄電力の第54回株主総会に参加しました。
株式を保有して初めての株主総会でした。
私が30年にわたり、沖縄電力に対して提案や意見を述べ続けてきた理由は、沖縄県民が全国でも極めて高い水準の電気料金を負担している現状に強い疑問を抱いているからです。
電気料金の「本土並み料金水準の確保」を目的に、1988年10月1日に完全な民営化が行われましたが、その目的は果たされていません。
それにもかかわらず、沖縄電力の経営陣は沖縄県民に反省の姿勢を見せることもなく、経営改善に取り組むこともしませんでした。
このような沖縄電力の体質に対して、誰かが厳しく指摘しなければ、会社はいつまでも変わらないままです。
そしてそのことで、高い電力料金に苦しめられ続けるのは沖縄県民なのです。
沖縄電力の株価は、かつて2,500円前後まで上昇したことがありましたが、現在では900円を下回る水準となっています。
これは、市場が沖縄電力の経営方針を評価していないことの表れであり、株主を裏切っていることになるのです。
また、沖縄電力はこれまで、石油石炭税の軽減措置や固定資産税に関する特例措置など多額の税金が投入されているほか、さまざまな公的支援を受け続けています。
しかし、沖縄電力は今もって電気料金を値上げしなければ十分な利益を確保できない体質から抜け出せていません。
つまり、原価が高すぎるため、県民に負担を求めなければ利益を出せない経営構造が今なお続いているのです。
沖縄電力の発電の約7割は石炭火力によるものです。
その一方で、ホルムズ海峡情勢による燃料価格の上昇を理由に電気料金を引き上げています。
しかし、石炭の調達先などを考慮すれば、ホルムズ海峡情勢の影響は限定的ではないかと私は考えています。
今回の株主総会では、取締役の報酬について、年額3億1,000万円以内とする議案に加え、業績連動型株式報酬制度(3事業年度で総額1億5,000万円以内)についても承認されました。
私は、このような状況の中で役員報酬制度を維持・拡充することが、本当に県民や株主の理解を得られるのかと、繰り返し経営陣に問いかけました。
県民には高い電気料金を負担してもらい、その利益をもとに役員報酬を維持する。
一方で株価は低迷し、市場からの評価を得ることもできない。
このような状況であれば、役員自らが報酬を減額し、業績連動報酬制度についても見直すという判断を示すのが、本来あるべき姿ではないでしょうか。
それにもかかわらず、そのような姿勢は見られません。
私は、県民が厳しい生活を強いられる一方で、役員だけが高い報酬を受け続けることには納得できません。
現在の沖縄では、大企業に対して率直に意見を述べる人が少なくなっています。
経済界でも「事なかれ主義」が広がり、問題点を指摘する声が弱くなっているように感じます。
そのことが企業体質の改善を妨げているのではないでしょうか。
私は今後も中途半端な姿勢ではなく、沖縄電力の経営に関して注目をしていきたいと思います。
県民に安い電力料金を実現して、本当に県民に寄り添った会社になってもらうために。
そういったことから、沖縄電力の経営陣は、役員報酬を減額・返納することからスタートすべきだと考えます。
電気料金の値上げを県民に押し付けなくても、国や制度の支援に過度に依存しなくても、健全に利益を出せる会社になるべく、経営の体質を改善すべきです。
私のように、沖縄電力に愛情ある人を増やさなければなりません。
「何も言わない県民」「何も言わない株主」は、沖縄電力がどうなってもいいと思っていると言われても仕方ないのです。
それでは沖縄の未来を創造することはできません。
株式会社 沖縄ファースト政策研究所
所長 下地 幹郎


